知らないおじさんがアパートに来て「電話が来てるよ」と電話線のない受話器を渡された。受け取ろうとすると腕を捕まれた。

「AVに出ようね」

みたいなことを、片方の髪の毛のないいかにもなおじさんに言われた。

「大丈夫」だとか「売れるから」だとか言葉が連なる中に「今の私のバイト先と提携してるんだ」という一言になにより驚愕した。いつの間にか入り込んでたAV嬢にも説得された。話しかけてきた際に口から謎の白い液体が吐き出され私の服についた。

これまたいつのまにか兄が間に入って無理矢理帰らせた。AV嬢が名残惜しそうにチラチラこっちを振り向いて見ていたから「さっさと出てってください」と言った。出て行ったら瞬時に鍵とチェーンをかけた。

頬をつねった。痛くなかったけど痛覚すらなくなるほど恐怖していたのかと勘違いし現実だと思いこんで怖かった。

兄に、なんでここにいるのかと問うたら「実家の方にもコールが3回も来たから(本名)のところに来た」と返された。スーツケースが部屋を占領して米も何袋か積まれてあった。

 

そこで目が覚めた。頬をつねると痛くなかった。なんだ夢じゃなくても痛くないんだと思った。しかし周りにはスーツケースが部屋占領し米袋が積まれていた。

正夢だったんだ!と絶望した。またおじさんが来るかもしれないという不安。バイト先がそんな提携をしていたの?と疑心暗鬼と失望。

とりあえず実家に戻った。玄関がなんだかかっこよくなっていた。

怖いけど、一人暮らしに戻りたいとも思った。どれだけ一人になりたいんだ。

誰かに相談しなきゃと思った。誰に?フォロワーさんに?困った。

頬をつねった。やっぱり痛くなかった。

 

また目が覚めた。頬つねりをした。今度はちゃんと痛かった。寝室の周りを見渡せばいつも通りの部屋で、兄が滞在するようのスーツケースなんてなかった。米袋もない。安心した。

 

最悪な夢だった。夢の中で夢を見るなんて初めてで怖かった。本当に夢でよかった。

夢だよね?