僕は人間だ

突然ながら私はエレファント・マンという映画が大好きだ。と言いつつ一番好きかと聞かれたら縦に頷くことは出来ないけれど、でも心を動かされた作品の一つではある。


映画はいろいろ好きで、その日によって観たいものが違ってくるから。
それは漫画でもアニメでも小説でも言えることで、私の場合だとつらいときはつらいものを見たり観たり読んだりする、楽しい時は楽しいものを、不思議な気持ちな時は不思議なものを。おそらく同調して下さる方がいればその逆の方もいると思うけど、それは個人の自由だから置いておくとして。


さてさて、話をエレファント・マンに戻します。
あらすじを言うと見世物小屋の一つとして扱われた奇形の男性エレファント・マンことジョン・メリック。実在した人物です。その半生を多少のフィクションを加え映像化したものが「エレファント・マン」なのである。
彼がエレファント・マンと呼ばれる所以は、生まれる前に母が象に襲われたトラウマが影響されたから…とされてるけど、本当にそれが原因なわけじゃないらしいですよ。そこら辺はジョン・メリックまたはエレファント・マンで検索して下さい。


簡潔に書くとそのエレファント・マンという化物が人々との関係を通じてジョン・メリックという一人の人間として生き、そうして、といった話。
感動ヒューマンドラマと取るか、単なる不気味な映画と取るかも観る方次第。
ちなみに私はただただ心が痛くなった。終盤の彼の叫びは本当に痛々しくて苦しくなる。それでも何故か観てしまう。それは多分彼に自分の姿を重ねて同情するからかもしれないし、彼のその特殊な姿に惹かれてやまないからかもしれない。

 

 

ネタバレを含むよ。

 

 

 

ジョン・メリックはその奇形故仰向けに寝ることができない。呼吸が出来なくなり死んでしまうのだ。その為独特の寝方をする。が、ラストに彼は仰向けになって寝て終幕する。つまりはそういうことだ。
それを自殺と推測するか事故とするか謎に包まれている。知っているのは本人のみだ。
どっかのサイトの感想だったかyahoo!知恵袋で読んだ「仰向けで寝ると死ぬことは自身も分かっていた、彼は最後に当たり前の、ごく普通の人間としての死を選んだ」という旨の文章を読んでなるほどと感心したし、以降真相がその推測であって欲しいと思ってる。

純粋に鑑賞後、私もジョン・メリックもありふれた普通の人間なんだと安堵するのだ。


音楽も素晴らしい。不気味なのに神秘的。なのでサントラ注文確定しちゃったよね。お金ないのにね